朝顔

朝、窓を開けるとこれまで元気よく合唱していた熊蝉や油蝉の声も、立秋が過ぎ、お盆も過ぎると心なしか鳴き声が弱々しく感じられるようになりました。これからはミンミン蝉やつくつく法師達の独唱が際立ち、もう秋が近いことを教えてくれます。とは言え連日の猛暑、一体この暑さ、いつまで続くのでしょうか。

「やがて死ぬ けしきは見えず 蝉の声」

地上に現れて羽化してから1週間のいのちと言われている蝉ですが、勢いのある鳴き声を聞いていると、とてもそんな儚さは伝わってこない。それこそが「無常」というものであろうと松尾芭蕉は強く感じたようです。そして、この句を詠んだ1か月後に51歳の生涯を終えたと言われています。

禅語に「無常迅速、時人を待たず」という言葉があります。生まれてから死ぬまでのたった一度の人生をどう生きるか、それが私たち一人ひとりの問題です。この世に生まれたものは、必ず死を迎える。(支部で親しくしてもらっていた人たちも、だんだん少なくなって来ました)そして、形あるものは壊れ、会った人とはいつか別れなければなりません。砂時計の砂が落ちて行くように、時間は待ってくれません。すべてが「無常」です。蝉は僅かな時間で子孫を残すために精一杯頑張って、やがて消え去る運命にあります。

神戸教会のホームページが開設10周年を迎えました。先頭に立つ人がやり過ぎと想えるほどに、いつも燃えていないと続かなかったと思います。「やり過ぎ」の反対語は「余計なことはしない」という冷めた心です。これが普通の人でしょうか。「もっと協力してくれても良いのに・・・」とつい、愚痴が口から出てしまいます。反面、やり過ぎる人は年相応に、人に何と言われようとも今を楽しんでいる人だと思います。私などはそうありたいと、古希を過ぎた今も色々と思案しているところです。お互いさま、この猛暑を乗り切りましょう。

-合掌-   ≪Y・S≫

夏の花