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先日、A主任さん宅で石斛(せっこく)の花が満開になったという話を聞いて、早速家内と取材がてら見せてもらいに行きました。初めて聞く石斛、どんな花かと思いめぐらしながら行ってみると、「じぇ、じぇ、じぇ」でした。門を入ると庭一面に何段にも棚が設けてあって、ぎっしりと並べられてありました。その数、1000を超えているとか。ご主人が丹精込めて作り上げた世界が、そこには在りました。ご主人の尽きないその雄弁さが全てを物語っています。原稿を寄せてもらったのでここに紹介します。

花いっぱいの生活『石斛(せっこく)に魅せられて』
5月18日、支部のS夫妻が突然訪問され、私が愛培している石斛を見てもらいました。ラン4
今が満開で、興味深く写真に収められていました。ちなみに、石斛とは香り高い日本の着生ランのことで、少し小型ですが赤・黄・桃・白・橙色と多種多様の花を着け、清楚な美しさに加えて気品があります。私が愛培するようになったのは、5年前に職場の同僚から株分けしてもらったのがきっかけでした。趣味として栽培するようになり、あっという間に増えてしまいました。
石斛の花は4月下旬から6月上旬頃までの開花ですが、この時期は次々と咲く花を見ていると心が癒され、驕り高ぶりといった気持が何故か無くなります。そして、愛情を掛けてやれば決して裏切られる事はありません。自然界の中で、岩や樹木に着生して水分の少ない厳しい環境下で育っていますので、非常に生命力があります。栽培していて解る事ですが、過保護は禁物で、いかに自然の条件下に置くかを考え、実践しています。決して水や肥料をやり過ぎない事や、各季節の日差しと風通しを考えながら見守り、冬の厳しい寒さに当てながら花芽が付きやすくする事が秘訣です。ラン3

禅語に「百花春至って誰がために開く」という言葉が有ります。花は一体、誰の為に咲くのでしょうか。解説本によると「誰の為でもありません。何のためでもありません。自分のいのちの赴くままに自分の全生命を無心に発揮して、ただ、ただ咲いているのです。ただ咲いて、私たちに生き方を教え、勇気づけ、慰め、そして楽しませてくれます。しかもその功を少しも誇る事もありません。なんと素晴らしいことではありませんか」とありました。最近、これらの事は人が生活する上で大切なことだと、強く思えるようになりました。

もし、興味があれば一度挑戦してみてはいかかでしょうか。花の好きな方や、老後の趣味としての石斛の栽培は、最高だと思います。≪T・A≫

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