【6月のメッセージ】日々ありがとうございます。
紫陽花が雨を吸収して生き生きと咲く梅雨の季節に入りました。衣替えの月でもあります。身も心も衣替えしていきたいと思います。まだまだコロナウイルスとの共存は続くようです。引き続き感染対策をし、即是道場修行をお願いいたします。

先月は、青年の日に「アフリカへ毛布をおくる運動」祈願供養をオンラインでさせていただきました。本年で最後となりました。毛布発送に対しまして、長年ご協力をいただきまして誠にありがとうございました。

今月の会長先生のご法話は「慈悲の心で---忍辱②」です。良寛禅師の教えを通して、「最高の忍辱」の受けとめ方をご教示くださっております。
「人は我が身の鏡なりけり」とは「人のふりを見て我がふり直せ」と似ていることから、いろいろなことが起こる中で一喜一憂することなく、自己のありようをよくふり返ることが、心の波立ちを静める忍辱の実践になると教えていただきます。自分に対して攻撃してくる人に耐えたり我慢したりするのではなく、受け入れて認め、慈愛までも感じていくことが大きな力となり、開祖さまは、自他一体感と寛容の精神をもつことで「ああ、かわいそうな人だ、何とかしてあの間違った心を直してあげたい」という慈悲の心が起こることが「最高の忍辱」だと言われるのです。

また、「忍是れ功徳の本(もと)」とは、受け入れがたいこともしっかりと見据えて受け入れ、認めることで心の器が少しずつ広がってより柔軟にものごとを受けとめられるようになる功徳のことです。法華経で「如来の衣」とは「柔和忍辱の心」のことです。心を少し教えに向けて、素直に、「すべては自分」すなわち「自他一体」という見方でまごころをこめて人と接していくことを会長先生はご指導くださっております。

会員さんでご主人が精神的な疾患のため仕事を休職している中、夫婦で口論となることが多かったのですが、先月のご法話(忍辱①)の「忍は認に通ずる」の「受け入れて認める」実践をされました。すると、辛くて我慢するのではなく、受け入れていくことにしたとき、心がとても楽になり、ご主人に優しい言葉かけもできるようになったそうです。ご主人も少しずつ回復してきておられます。「最高の忍辱」の行をされている会員さんだと思います。

今月は、衣替えです。固く重い上着(執着)を脱ぎ捨てて、「如来の衣」すなわち「「柔和忍辱の衣(心)」を着て、目の前の出会いや出来事をすべて受け入れて認め、慈悲の心で包んでさしあげる精進をしていきましょう。よろしくお願い申し上げます。

合  掌

教会長 西村季代子