2月に海上自衛隊イージス艦「あたご」とマグロはえ縄漁船「清徳丸」が衝突した事故や、3月に入って明石海峡で3隻の船が衝突して貨物船が沈没し、尊いいのちが失われた事故で考えさせられた事があります。

人はその時々の立場によって、心の働きが随分と変わってしまうものです。例えば、歩道を歩いているとします。後ろから自転車が猛スピードで追い越して行きます。思わず「危ないなぁ!」と声に出してしまいます。ところが、自分が自転車に乗って急いでいる時は同じ事をしているのです。また、乗用車に乗っている時には歩道の無い細い道で歩行者や自転車がウロチョロしていると「邪魔やなぁ」と感じてしまいます。こうした心の変化は同じ人間なのに、どうして起きるのでしょうか。

開祖さまが随感の中で『鬼の心と仏の心』と題して

「鬼の心というのは、よいことをしなければと思いながら、つい怠け心のほうに引きずられてしまう心です。また、人のことをうらやんだり、ねたんだりする心も、それです。悪いことや嫌なことは、みんなまわりのせいにして、人を責めたり憎んだりするのも鬼の心です」と述べられています。「どんな人にも笑顔で対せるようにと心がけて、それを習慣にしてしまうのです。そして、いつも人さまの身になって考えることです」そうすれば「鬼の心を追い出せる」とご指導下さっています。「相手が避けるだろう」という傲慢な姿勢も、鬼の心です。人さまの身になって考える、お互いが他の人を思いやれる「仏の心」を持って行動すれば事故も少なくなると思うのですが、いかがでしょうか。

いつもはキレイな春の明石海峡が、沈没した貨物船から流出を続ける油やゴミで汚れてしまいました。解禁したばかりのイカナゴのしんこ漁や海苔の養殖にも影響が出ています。

【人は知らぬ間に見えるものだけを追い求め、見えない真実を見失う】のだそうです。-合掌-
垂水ー蝶