九月十七日、光祥さまにおかれましては初めての男の子を出産され、母子共に元気とのことです。まずもって心よりお祝い申し上げます。
日蓮聖人のご遺文の中に「益とは成仏なり」という言葉があります。立正佼成会では、この「益」を「役」と代えて「役とは成仏なり」として、お役の大切さを表現しております。本来私たちは凡夫でありますけれども、お役を頂くことでより精進し、仏さまの智慧を頂くことができるのです。このお役を頂くということはその人ができているから頂くのではなく、その人の精進のために頂くということがよく理解できれば、お役を頂いたからといって偉くなる必要はありません。十月号『佼成』の中で会長先生は、このお役を行ずることを「役を演じること」とおっしゃられ、「お役を演じるということは、人のために尽くすことであり、自らの能力を発揮し、伸ばす機会でもあります」とご指導くださっております。別にお役のあるなしにかかわらず、常に人様の心配ができればいいのですが、なかなかそうはできずについつい自分のことを優先して考えがちになります。そんな私たちでもお役をいただくことで少しでも人様のことを心配し、思って上げられる自分になれることが、お役をいただくことの有難さだと思います。
話は変わりますが、九月二十四日、これまで大切に人工飼育されてきたコウノトリが兵庫県豊岡市で放鳥されました。一時絶滅を伝えられていたコウノトリがこのような形で再びよみがえるということは素晴らしいことではないでしょうか。九月から十一月を両祖さまへの報恩月間とし、私たちもこのコウノトリに負けないように、力強く布教伝道に邁進させて頂きましょう