今では「しるこ」のことですが、仏典ではお釈迦さまが弟子の言行に対して賛成・賛美されるときのお言葉です。「方便品」や「薬草諭品」などに登場します。指導者と会衆の心の交流には“打てば響くような反応”が大切です。弟子がひとつ悟ったことをすぐさま指導者に報告すると、指導者もすぐさま「善哉、善哉」と誉める。そういう火花を散らすようなやりとりがあってこそ、生きた人間教育ができるのです、指導者はただ法を説き、聴聞者はただ聞きっぱなしという状態では生きた教えにはなりません。お釈迦さまと弟子のはつらつとしたやりとりに私たちは学ばなくてはならないでしょう。

佼成出版社「The Yakushin」1993年2月号・法華経日常語辞典より