会った人とはいつか必ず別れなければならず、初めて会ったその瞬間から、すでに別れが始まっている~~どんな人も愛する人や親子・兄弟との別れを避けることはできません。『法華経』の「譬喩品」の中に、「若し天上に生れ及び人間に在って貧窮困苦・愛別離苦・怨憎会苦、是の如き等の種種の諸苦あり」と説かれていますが、これが「会うは別れの始め」の出展です。愛別離苦とは、愛するものとはいずれ別れ、離れなければならない、その苦しみをいいます。どんな人でも出会ったときから別れが始まるのですから人との出会いと人間関係を大切にしていきたいものです。

佼成出版社「The Yakushin」1993年2月号・暮らしの中の仏教より