8月末、京都国際会議場にて世界百カ国に及ぶ宗教指導者の方々が集まって開かれたWCRPⅧの開会式に参加させていただきました。
世界の様々な紛争・戦争は何が原因となっているかと考えれば、それは詰まるところ人間のもつ欲望であって、それが民族的にあるいは国家としてまとまった力を持ったときに他の民族、国家との衝突が起き、紛争・戦争の火種となっていく。
そのときに宗教がその紛争の火種をさらに大きくしていく力となっていったことは、過去・現在もなお事実としてあると言えましょう。しかしこれは人の持つ欲望というものが宗教という殻をかぶって、いわば宗教を利用して人の心に他と対立する心、他を攻撃する心を植え込んでいったのであって、宗教本来の願いとは大きく異なっているのではないかと思われます。このことをWCRPのベンドレイ事務総長は、「宗教がハイジャックされている」と表現しているのではないでしょうか。そのような宗教をその本来の願いとしているところ、すなわち人々を幸せに、そして平和に導いていくことをここで再確認し、諸宗教が協力してその願いに向けて力を発揮していこう、今こそ宗教本来の役割と使命をその世界史のなかで果たしていこう、これがWCRPの目的であると、その開会式に出させていただき、あらためて強く感じさせていただきました。
9月「佼成」ご法話は「介護する心」で、会長先生は、無財の七施を説かれ、誰にでもできる布施行をお示し下さいました。人間、人から何かしてもらったときに大きな有難さを感ずるけれども、何か人の役に立たせていただくことこそ最高の喜びである、ということを、無財の七施は私たちに教えてくれているように思います。
WCRPⅧも終わり、いよいよ本年開祖さま生誕百年も本番を迎えました。11月15日は素晴らしい生誕会をお迎えできるよう、この三ヶ月本当に開祖さま、会長先生に善哉善哉とお喜びいただけるような精進をさせていただきましょう。 合掌