【8月のメッセージ】日々ありがとうございます。
ひまわりが夏の太陽をあびて大輪の花を咲かせています。先月中旬に、近畿支教区中国黒竜江省方正地区、日本人公墓慰霊訪中団23名の一員として行って参りました。神戸教会が十数年繋げて積み重ねてきた訪中行事が、今年から支教区の青年育成海外渡航行事として移行されました。慰霊とともに平和への篤い志をもって帰ってきました。貴重な学びとなりました。

今月の会長法話は「自分の『宝』を輝かせる」です。法華経の「信解品(しんげほん)」の「長者窮子の譬え(ちょうじゃぐうじのたとえ)」をもとに、「自信をもちにくい時代」に、「仏性を輝かせる」ことの大事さを教えていただいています。放浪生活を送っていた自分を雇ってくれた長者(父)に信頼され、金銀財宝を収める倉の管理まで任されながら、それでもなお「自分はとるに足りない人間だ」と思い込んで卑屈な思いをしている「窮子」のように、いま自信をもてない人がふえているのは、欲望を刺激する情報過剰、経済格差、人生における損得の大小などを容易に推し量れる時代だからと教えていただきます。仏教では、人と比べる見方がものごとを見る目をいかに曇らせるかを教えています。八正道の「正見」の見かたをしていきたいと思います。

卑屈な思いの「窮子」が自分の宝に気づかされる瞬間は、長者が臨終間際に「この男は幼いころ行方知れずになった私の子です。私の財産は、すべてこの子のものです。」と聞いたときです。この真意は、「すべての人が仏の子であり、仏と一体の仏性そのものです。だから、自信をもってその自分の宝(仏性)を輝かせなさい」ということです。自分の宝に気づいてない人に気づいていただけるようなお手どりをして、自らも光り輝いていきたいものです。

今月は、「戦争犠牲者慰霊・平和祈願の日」の月です。平和を念じ、今ある尊い命に感謝し「自己を進化」しつつ「大己」を胸に、さらなる布教精進をさせていただきましょう。 合掌

教会長 西村 季代子