【10月の教会長メッセージ】

9月は、脇祖さま報恩会、文書布教大会があり、佼成出版社の水野社長さんより、法を伝える意味を実践の素晴らしさから教えていただきました。又、近畿ダーナ大聖堂参拝では、皆さまの願いの後押しのおかげさま、台風をさけ壮年843名が参加。体験説法より、いのちの尊さ・仏さまの見方・魂を磨く の三つの観点からかみしめて頂き、それぞれの信仰心が深まったのではないでしょうか。

10月は、開祖さま入寂会、日蓮聖人遠忌法要、お会式の月です。今月の会長法話は「苦悩」と「苦労」、「悩むことは大事」「大いなる苦労人」のご指導を頂きました。皆、悩みの一つや二つは抱えています。開祖さまは、子の病いという苦悩が宗教とのご縁となり、法華経との出会いがあったわけです。「悩むからこそ、いろんな教えを求め、どう生きる事が大切なのかを真剣に考える。」悩むことは大事な経験と会長先生はおっしゃいます。悩めばこそ法座で結んで頂き、実践があるから執着が取れて心が救われる。この体験が人間の向上につながるのですね。水が冷たいか暖かいかは、それを自ら味わってみればわかる「冷暖自知」が示すように体験して初めて「ああ、ほんとうにそうだな」と受けとれるようになる。

釈尊は「一切皆苦」この世のものごとはすべて苦(思い通りにならない)である。苦境を特別な状態と考えない。同じ苦しい状態でも、漢字で「苦脳」と書くときの「脳」は「心を乱す、思いわずらう」という意味で頭のなかで問題が「停滞」し、堂々めぐりしている感じ。一方「苦労する」というときの「労」は「つとめや仕事の疲れや骨折り」をさし、そこには、問題を一歩前に進める「動き」があります。昔から「苦労人」というと数々の逆境に遭いながら、それが血肉となって世間の事情によく通じ、人間としての心の幅や器の大きさが感じられる人をいいます。まさに釈尊、日蓮聖人、開祖さまはすべての人を救いたいと布教伝道された「大いなる苦労人」と思います。悩みや苦しみに直面したときには、体を使って「何かやってみるほうがいい」人さまのために労をいとわず動くことが「苦脳」を「苦労」に変える秘訣と教えて頂きました。悩みごとの中から智慧を身に付けて、大きな心の財産にしていきましょう。    合掌