【9月の教会長メッセージ】

8月は、平安時代に始まったという盆踊りでご先祖さまの霊をお迎えし、戦争犠牲者慰霊・平和祈願の日式典を行いました。終戦から72年が過ぎ、終戦記念日を知らない若者がいる今、少年部、学生部による奉献と体験説法が行われ、子どもたちの合掌する純粋なその姿から学び、心を浄めて頂きました。

9月は、脇祖さま報恩会・お彼岸の月です。今月の会長法話は、人に「伝える」ということ 仏さまの教えを学び、生活のなかで実践していく それは、さまざまなことが起こる人生において、苦悩を乗り越えていく「智慧」を身につけること。さらに、学んだ教えを人さまにお伝えすることは、「智慧」や「慈悲」を体得する大事な実践。
仏教をわかりやすく伝えられた臨済宗の松原泰道師は、説法の意味を「法は人のためにではなく、自分のために説くのだ」とおっしゃっています。そして、法を伝えること、つまり布教伝道は、「一人でも多くの人に真理を知ってもらい、幸せになってもらいたい」と願う、法の布施であると同時に自分の心田を耕していく精進にほかならないと会長先生はおっしゃいます。

自分がよくわからないことを人に伝えることはできません。私たちの知識や経験の量はほんのわずかです。伝えようとするときに大事なのは「自分は何も知らない」という謙虚な姿勢。読経供養の際に唱える「三帰依文」がありますが、常にその場にふさわしい仏さまの智慧をいただくには、相手との縁を通して、いつ、だれに対しても「学ぶ」姿勢を忘れない。相手の声(縁)にひたすら耳を傾け、学ぼうとする姿勢(因)のなかから、相手によく理解してもらえる言葉や心くばり、すなわち自他をよりよく生かす智慧が湧いてくると「智慧海の如くならん」の願いを教えて頂きました。ありがたいことをたくさん見つけ、人さまに伝えていく。そこには、つねに感謝を忘れない心の姿勢があり、日々の幸せと喜びがあります。その姿は周りの人を感化せずにはおかない魅力があり、心の波動を感じさせます。それはそのままで布教伝道です。感謝ということは、人間だけができること、その自覚に立って、ありがたいことをたくさん、それぞれの持ち味を発揮してお伝えしていきましょう。   合掌