日々ありがとうございます。
暑い夏です。真夏日が続いております。体調に気を付けて、心も体も涼しく健やかに過ごしてまいりたいと思います。
今月の会長先生のご法話は「有り難い命をいただいて」です。「人間として有り難い命をいただき、未来のために私たちにできることは何か」をご指導くださっております。
今年終戦80年の節目の年に当たり、悲惨な戦争の記憶が時間の経過とともに少しずつ薄れてゆくことに、会長先生は複雑な思いをしておられます。
明るい未来を築くためには、つらくかなしいできごとも、悲惨でむごたらしい過去もしっかりと直視することが重要で、記憶を継承しながらそこにある反省点や学ぶべきところを智慧に変え、後世をよりよい世界にすることができるのは、いま命をいただく私たちの務めだと自覚させていただきます。今、朝ドラ「あんぱん」を観ていますと、戦争中の様々な様子がよく分かります。まさに反省点や学びを智慧に変えて、考えて実践していきたいと思います。
釈尊は、安心して生きられる平和な日々をすべての人が願っていると説かれています。また、聖徳太子の「和を以て貴しと為す」の一節も世界平和の実現に導くのは「大調和の精神」以外にはないとご教示くださいます。そのためには、「斉家」(家庭をととのえること)が大切な平和運動であることのうえで、仏の教えを伝えて広めて大調和の世界をめざしていくことが有り難き命をいただいた私たちの生き方だとご指導くださっております。斉家に向けては、まず挨拶の実践です。継続は力なりです。がんばりましょう!
私の義父は戦争中東南アジアへ兵士として赴き、多くの仲間が戦死した中生還し、93歳まで生き抜きました。お盆に帰ると孫たちに「おじいちゃんは戦争で亡くなった友だちの分も命を大事にして生きてがんばっている」が口癖でした。争いを好まずいつも穏やかでやさしい義父でした。
今月は、盂蘭盆会の月です。戦没者の慰霊とともに現在も続いている世界各地の争いの平和的解決を願い、一人ひとりが有り難い命をいただいていることに感謝して、先祖供養はもとより「斉家」「継承」「育成」をめざして慈悲と思いやりの心で布教精進させていただきましょう。どうぞよろしくお願い申し上げます。
合 掌
教 会 長 西 村 季 代 子