12月の教会長さん いよいよ本年も最後の月を迎えました。立正佼成会では毎年この時期になりますと来年次の信行方針、教団目標が発表されます。佼成新聞(11月25日号)にて既に報じられておりますとおり、このたびの来年次方針・目標のなかで特に重要と思われることが「全会員へのご本尊およびご法号勧請」でありましょう。
法華経の信解品第四に


「長者窮子の譬え」というお話が出てきます。これは、ある大長者の子供が幼少の頃家を出てしまい、長い年月にわたって放浪生活を続ける話しです。50年の放浪の後にやっとその父である長者の家にたどり着きますが、あまりの立場の違いからその長者が自分の本当の父であるとは思えずにさらに20年間その家で働いて後初めて自分が長者の子供であったことを悟るというものであります。この長者が仏さま、貧窮の窮子こそ私たちであります。
 来年いよいよ教団も創立70周年を迎えるに当たり、会長先生はいよいよ全会員へのご本尊およびご法号勧請を決意されました。これはまさに窮子が50年プラス20年すなわち70年の後に仏子としての自覚を得たのと同じように、教団も70年を経て全会員が仏子としての自覚を持つにいたったといえましょう。全会員すべてがそのような自覚を持っているかどうかを考えますと、なかなか難しい面もあるかとは思いますが、会長先生におかれましては、私たちのことをそのように見てくださっているということであり、誠に有難いことであります。
12月の「佼成」ご法話のなかで会長先生は、失敗を恐れずに失敗からも学ぶという積極的な生き方を教えてくださっております。上り坂は苦しいものです。下り坂はそれに比べて楽でありましょう。私たちも楽な下り坂を選ばずに苦しくとも上り坂を選んで、より高いところを目指して精進させていただきましょう。  合掌