中国黒龍江省慰霊供養_05
青年代表 中山さん(30代男性)
 私たち日本人は、平和を当たり前と思い、水や空気のように、そのありがたさを感じることなく暮らしています。雨風をしのげる家があり、そこには家族がいて、三度の食事を食べ、蛇口をひねればちゃんと水が出ます。休みの日には好きな洋服を着て友人と遊びにいく自由もあります。過去の歴史を学び、私たちの当たり前が当たり前でなかった時代を知った今、『平和』がどれだけ有難くかけがえのない事か、気づくことができました。
日本と中国には戦争をした不幸な時代があり、日本人中国人の多くの尊い生命が失われました。ここハルピンも例外でなく、731部隊の犠牲者を代表とした日本軍による死者、終戦間際のソ連軍の参戦によって日本に帰ることが出来ず生命を落とされた日本人や、養父母の方々、これらの尊い生命を思い、私たちは今自分の生命が生かされて頂いている事を感じずにはいられません。昨夜眠りについて朝目が覚めたとき、今日も生きさせていただける事に深い感謝を感じました。
今私たちは戦争を知らずに平和の中に暮らしています。しかし世界では、いまだ各地で宗教や考え方の違いを受け入れない偏狭さから多くの戦争が引き起こされています。平和の中に安住しているのではなく、過去を知り、そこから学び、ともに生きていける社会を創らない限り、真の世界平和は訪れません。過去の戦争の悲惨さを学んだ私たちこそ先頭に立って世界に平和が来る努力をし続けることをここに誓います。
中国黒龍江省慰霊供養_07