日々ありがとうございます。

風薫る5月に入りました。初夏を感じさせるような日々が続いております。先月11日には、神戸教会発足74周年記念式典を9代目教会長の椎名啓至様をお迎えし、ご講話を賜りました。「自分が変われば相手が変わる(一念三千の法門)」を通して在家仏教者としての精神を教えていただきました。多くの方にお参りいただき、コロナ後の教会参拝者最高人数となりました。また同時にYouTube配信で参拝された方も多くおられました。誠にありがとうございました。周年を機に益々の精進をお誓いさせていただきます。

今月の会長先生のご法話は「柔和な人の、心は自由」です。「だれにもやさしくて慈悲深く、柔和にして、とらわれのない心の持ち主になる」ことの大切さをご指導くださっております。

「柔和は牛の軛(くびき)を離すこと(釈尊の「スッタニパータ」の一節)」で、「今日もよく働いてくれたなあ、ありがとう」という感謝といたわりの気持ちのことで、「やさしくおだやかであれ」と願われた釈尊の思いが込められていることを教えていただきます。斉家(家庭実践)にもつながる行ですね。

「軛(くびき)を離す」を別の角度で見ると、私たち人間が、自分を縛りつけているものを外して生きることの大切さをお伝えくださっております。自分を縛りつけているものとは何でしょうか。思惑や執着、心のとらわれ、好き嫌い、自分の思い通りにしたい我欲等でしょうか。

開祖さまは「はじめは形だけのニコニコ主義でもかまいません。しいて柔和を心がけていれば、自然とそれが精神に溶けこんでしまう」とご指導くださっております。信仰即生活(生活即信仰)、煩悩即菩提、法華経は実践の教えと言われます。「ありがとう」「おかげさま」の実践がとても大事な実践だと思います。

研修会の中で、お説法をしてくださったAさんは、ご自身の生まれてからの生活状況・人生をすべて赤裸々にお伝えくださいました。ご体調があまりよくないAさんでしたが、その後すっきりとした感じで、「すべて話したら心が軽くなり体調もよくなりました。精進していきます」と元気な笑顔で応えてくれました。まさに軛(くびき)を離し、柔和で、心が自由になられたAさんです。

今月も、日々感謝で目覚め、心をいつも前向きにし、会長先生より「偉大なるものに参る」と今年の心構えを胸に、「ありがとう・おかげさま」を毎日声に出し、ニコニコ顔で、爽やかな5月の風に乗って精一杯の布教精進をさせていただきましょう。どうぞよろしくお願い申し上げます。

合     掌

教会長 西 村  季 代 子