2014.06  60代 女性 「大丈夫だからね」

32年前、労働組合の役員をしていた主人は、会社との長引く衝突にストレスを溜め、はけ口が荒れたお酒になりました。自分の弱さがわかるから、高校生の息子に強くなれと些細なことで怒りをぶつけ、手をあげることも度々でした。

このままでは子供が駄目になると神戸へ逃げてきたのです。私の勤め先が決まり、子供たちも学校になれた頃、主人の死を知らされました。あまりにも急で、身体の震えが止まりませんでした。逃げて出てはきましたが、主人のことが大好きでした。私たちがいなくなった後どんな思いで探し廻った事か、その姿が浮かび申し訳なさで一杯でした。

しっかり子供を育てることが償いと思いましたが、その気負いは子供たちにとって窮屈なことのようで、息子の生活は乱れていきました。無茶ばかりしてと責め、叱ってばかりで、何をしでかすかと悩み疲れ果てていました。そんな時に近所のHさんに旧道場へ連れて行って頂き、苦労がなくなるのならと入会しました。道場は私が思いっきり泣ける場所となり、藁をも掴む気持ちでご命日参拝、当番修行、お導きと実践するうちに少しずつ目の前の子供の行動に捉われなくなり、心が穏やかになっていくのがわかりました。すると子供たちもよく笑う、明るい家になりました。思い通りに育てたいと思う親の私が至らなかったことに気が付きました。

子供が独立したH13年私のガンが見つかり、手術、放射線治療、5年間のホルモン剤服用、完治したものと思っていたのに再発がわかりました。抗癌剤治療がまた始まり、副作用があり辛いものでした。支部長さんにご指導頂くと、地区が育つ時だから、心配せず治療に専念することを言って頂き、温かい思いやりが嬉しくて元気になりたいと心から思いました。元旦参りの精進くじが「だいじょうぶ だいじょうぶ」とあり、証明して頂き、私たちに出来ることは言ってくださいとサンガの心配りから、地区が一つになっていることを実感できました。

主人の三十三回忌をさせて頂き、支部長さんから「ご主人は喜んでいらっしゃるからもういいのよ」の言葉に泣きました。長い間私が死に追いやったと責めていたので、心が救われました。説法のおかげさま、主人がこの法華経に出会わせて下さったことに気が付きました。本質的な救われに向かって、明るく、優しく、温かい私になれますよう精進させて頂きます。