2012.07 50代 女性 「温かく優しいふれあい」
「K病院ですが」と電話が有ったのは今年の一月十日。栄養失調と肺炎からふらつき、溝に落ち運ばれて来たというのです。心細く主任さんに連絡するとF主任さんが駆けつけてくれました。

Tさんは亡き主人の母に頼まれ、15年前からお手取りをしている一人暮らしの方で、今年76歳。時々顔を身に行く程度でした。病院に行くうちに妹さんが愛媛と神戸におられることが分かり連絡すると、「随分心配掛けられた兄ですから」、「こちらも大変で、それどころではない」と冷たい対応でした。頼りない私ですが、出来ることは精一杯させてもらおうと心に決めました。

高額医療費免除の手続きを病院に頼まれ、区役所に頼み込んで作ってもらい、介護認定の手続きもして要介護の認定がおりました。退院には二人で家まで送り届けました。わずかな年金のため支払いも分割でお願いし、二人で責任を持つという約束で許してもらいました。初めて家の中に入り人の住み家でない状態でビックリしました。不用品を片付けて、ようやく横になることが出来ました。壁にはすっかり日に焼けた総戒名が貼られていましたが、野の花が空き瓶に丁寧に生けて有りました。ケアマネージャーさん、ヘルパーさんが決まりTさんを支えていく手筈が整い、触れ合いの少なかった生活が冗談を言い合えるまでになりました。壊れたテレビ3台は主人と高校3年の息子が運び出し、民政委員のご主人が分解して捨ててくれて、皆が力を出し合っていました。

今思うと全てが仏さまに守られていたのではと思えるようになり、『ご本尊(額装)』のご安置をしましょうと主任さんの提案により、供養させて頂きました。Tさんは嬉しそうに座っておられました。それから妹さんより感謝の電話も頂いて、気持ちが通じたんだと、この上ない喜びを感じました。

Tさんとの触れ合いの中で感じたことは、家族が寄り添って暮らしていくことがどんなにか大切ということです。「Tさんは、仏さまからの贈り物」と教えて頂き、思ってもみなかったので、ハッとしました。思わずTさんに合掌しました。こうして周りへの感謝の気持ちを呼び起こすチャンスを頂き、誠に有り難うございます。今後も人さまに対して、温かく優しく、良い触れ合いが出来るよう精進を重ねて行きたいと思います。